横浜商人の活躍ぶり

横浜は、開港当時、わずか100戸程度の静かな村でした。
ところが、開港されたことによって、たくさんの貿易商人や技術者が集まり、生糸を中心として、絹織物やお茶を輸出するための港として発展していきました。
街には、さまざまな品物を取り扱う貿易商人の店が並び、活気のある街になっていきました。

開港後、横浜では、商売を始める人たちが、いろいろなところから集まってきました。
また、そこで商売を始めた人は「横浜商人」と呼ばれていました。
その中で、もっとも活躍していたのは、外国との取引を行っていた貿易商人でした。

また、蚕のまゆからとれる「生糸」を取引していた貿易商人は、特に活躍していました。
山梨県や群馬県、長野県などで生産された生糸が、横浜に運ばれて来て、それを扱う貿易商人によって、海外へ輸出されたのです。

外国の商人は、日本の生糸をたくさん輸出してもらうために、横浜商人と交渉を行ったのですが、言葉が通じなかったことや、ものを測る単位が違ったことから、横浜商人は、たまに損をしていたそうです。

また、外国から、さまざまな国の人々がやって来るようになったので、英語やフランス語など、いろいろな言葉が飛び交っていました。
昔の人々は、外国の言葉を、耳で聞いたままに覚えて、外国の人と会話をしていたそうです。
たとえば、「Good morning.」は「グルモウネン」、「Thank you.」は「タンキョウ」、「How much.」は「ハマチ」などです。

そのような地道な努力があったからこそ、今の大都市横浜ができあがったのですね。
  


「象の鼻会場」と「山下公園会場」

年6月2日にオープンする「象の鼻会場」は、芸術性あふれるオープン空間を創り出します。
「象の鼻」と呼ばれ、親しまれている「象の鼻パーク」を会場として、立体的に「黒船」が浮かび上がるように見える「トリックアート」や、「灯台アート」のワークイベントが行われます。

「灯台アート」は、そのデザインを一般公募して、横浜市民や若手アーティストなどが参加できる場となります。
Y15のアートプロデューサー日比野克彦氏が監修し、2009年1月〜3月末に公募を行ないます。
審査によって、30基の灯台アートデザインを選定して、Y150が開催される会期を3期に分け、それぞれの期間に10基ずつ展示されます。
Y150の会期中に、さまざまな個性的な灯台アートが、象の鼻地区を彩ります。
夜間は、横浜の美しい海を照らし出し、幻想的な世界を創り出します。

「トリックアート」とは、目の錯覚によって、平面に描かれた絵が、見る角度によって3Dに見えるなど、絵の空間を広げる特殊な技法です。
今回作品を手掛けるのは、カート・ウェナー氏です。
彼は、トリックアートにおける世界的アーティストで、これまでに、建物や路上をキャンバスにして、ストリートペイントの数多くの作品を制作しています。
Y150では、「黒船」をテーマとして、黒船の実物大を実感させるスケールの大作を描き上げる予定です。

「山下公園会場」では、会期中5月、6月、8月の3回、黒船が来航します。
昼間は、黒船へ乗船できる体験プログラムやさまざまなイベントが開催されます。
夜間は、黒船がライトアップさせるなど、楽しいイベントを多数展開していきます。
また、例年開催されている、花火大会やドラゴントレースなどのイベントも行われます。
  


横浜開港の歴史

横浜は、2009年に、開港150周年を迎えます。
港が横浜に開かれてから、現在のような大都市に発展するまでの150年間には、多くの人たちの大変な努力と活躍がありました。

江戸時代の日本は、江戸幕府によって、外国との付き合いを禁止する「鎖国」をしていました。
ところが、1853年、ペリー提督が、「アメリカと開国をするように」という内容の手紙を持って、黒船に乗り浦賀にやって来ました。
その1年後、ペリー提督は、手紙の返答を聞くために、再び黒船に乗って、横浜に上陸しました。
その時、上陸した場所が、現在の横浜県庁や横浜開港資料館のある辺りです。

日本は、アメリカとの開国を承諾し、横浜には、外国からの船を受け入れるように、港を造りました。
そして、横浜港が誕生したのです。
その場所は、現在大さん橋の根元の辺りにあり、「象の鼻地区」と呼ばれ、その名は現在でも残っています。

「象の鼻地区」には、最初、直線の船着場が2本造られ、1867年に、1本の船着場が曲がった形に変更されました。
そして、その形が「象の鼻」に似ていたことから、「象の鼻地区」と呼ばれるようになったのです。

横浜港の開港記念日は、6月2日です。
横浜港が開港された日は、1859年7月1日でしたが、これは、旧暦安政6年6月2日にあたるので、1928年に、横浜市の議会で、開港記念日が6月2日と決まったのです。
そして、2009年6月2日には、150歳の誕生日を迎えます。
  


「ラ・マシン」、巨大スペクタクルアート劇団

サイドエリアの「Y150はじまりの森」では、 巨大スペクタクルアート劇団「ラ・マシン」が公開されます。

日本初上陸となる、フランスの世界的アートパフォーマンス劇団「ラ・マシン」は、街全体を劇場に変えてしまうという、巨大なスペクタクルアートを実現させます。
街を構成している花や緑などの自然、海、空、乗り物、建物、そして観客まで、全てが巨大な「劇場」を造り上げるための構成要素となるのです。

そして、今回は、Y150の会場を中心として「ラ・マシン」が、いかにして横浜の街並みと共生するかをテーマに、彼らの一大プロジェクトを行なう予定です。

また、横浜市では、「クリエイティブシティ」の構想を示しています。
「クリエイティブシティ」であるフランスのナントとトゥールーズを拠点としている「ラ・マシン」と連携を図ることによって、世界の創造的都市とのネットワークを広げ、国際的な文化交流と芸術の創造をさらに目指します。

フランスのナント市は、先駆創造都市で、旧ビスケット工場を活用して、現代アートセンターを創るなど、文化によって都市の再生を進めています。
「ラ・マシン」の工房に隣接する「ナント島の巨大な象」は、体感できる作品として有名です。
また、ナント市自慢のアートシンボルで、観光名所ともなっています。
2007年に完成して以来、年間通じて、たくさんの観光客が訪れています。

「ラ・マシン」は、有料会場にあり、2009年4月28日〜9月27日に開催されます。