開港記念イベントの歴史

横浜は、2009年6月2日に、開港150周年を迎えます。

横浜が開港されたのは、1859年7月1日で、旧暦安政6年6月2日です。
それから、横浜は、外国との窓口として、さまざまな技術や文化、そして、たくさんの人が集まるようになり、大きな都市として発展しました。

横浜市では、開港を記念して、大規模な記念イベントを、節目となる年ごとに開催してきました。

開港50周年となった1909年(明治42年)には、森鴎外が作詞した市歌や、横浜のシンボルとして市章を制定しました。
また、市民の寄付によって、「開港記念横浜会館」が建設されることが決まりました。
祝賀会場は、建設中だった新港埠頭で行なわれ、横浜の街には、きらびやかな装飾の施された山車や、ちょうちん行列が登場して、市民みんなで祝いました。

開港100年目となった1958年(昭和33年)は、横浜公園平和球場で、開港百年記念祭が開催されました。
そこでは、横浜出身である美空ひばりさんなどのコンサートが開かれました。
また、横浜市庁舎が建設されたり、「北太平洋の女王」の名で知られた「氷川丸」が、山下公園前の海に係留したり、「横浜マリンタワー」の建設が始まったりしました。

1989年には、市制施行100周年と開港130年を記念して、「横浜博覧会」が開かれました。
会場一帯が、みなとみらい地区となって、「パシフィコ」や「ランドマークタワー」などが、次々と建設されました。
そして、記念出版として「図説 横浜の歴史」や「Yokohama Past and Present」などが刊行されました。

そして、150周年を迎える2009年には、開港150周年記念テーマイベントとして「開国・開港Y150」が開催されます。
次の50年へ向けて、150年分の横浜を楽しむことができる、歴史と未来を結ぶ大祭典が展開されます。
  


テーマイベント「開国・開港Y150」

横浜は、1859年(安政6年)に開国・開港されてから、2009年で150周年を迎えます。
そこで、横浜では、未来へ向けての「出航」をテーマとして、横浜の魅力が詰まった大祭典、横浜開港150周年記念テーマイベント「開国・開港Y150」が開催されます。

メイン会場は、みなとみらい地区を中心とした「ベイサイドエリア」です。
ベイサイドエリアは、メインの有料会場3つと、5つの周遊会場で構成されています。
ここでは、横浜の海や港、歴史的な建造物など、美しい景観を眺めながら、自由に有料の入場施設と周遊会場を回遊できます。
体験型の展示や大型シアター、さまざまなイベントや夜間の演出、ショッピングや飲食など、このベイサイドエリアでは、一日中楽しむことができます。

横浜駅周辺〜山下・山手地区の「マザーポートエリア」は、ファッションや食などの、人気スポットが並びます。
横浜を訪れる来場者が、横浜全体を楽しむことができるたくさんのプランを、行政や企業、商店街や市民が協力して検討しています。
たとえば、横浜の地元市民がおすすめするスポットの情報を盛り込んだ「横浜回遊ルートマップ」や、マザーポートエリア内を巡ると賞品に当選する「横浜スタンプラリー」などを実施します。

よこはま動物園ズーラシアの近隣に広がる「ヒルサイドエリア」は、自然あふれる横浜動物の森公園にあります。
市民スタッフが公募で集まり、「Y150つながりの森」を創っていきます。
ヒルサイドエリアでは、来場者が、横浜の自然や、里山の懐かしさに触れ、自然の偉大さを肌で感じることができます。
  


「ヒルサイドエリア」イベント

ヒルサイドエリア」は、横浜市北西部で、緑区と旭区にまたがっている「横浜動物の森公園」の中にあります。
また、「よこはま動物園ズーラシア」に隣接しています。

ここでは、横浜の緑あふれる里山に囲まれた自然環境の中で、公募によって集まった市民スタッフが中心となり、「Y150つながりの森」を創っていきます。
来場者は、横浜の懐かしさあふれる里山の自然に触れ、自然環境の大切さを感じることができます。

「竹の海原」は、Y150つながりの森の中心にあり、里山の自然を再生させるシンボルとなります。
横浜市内に放置されている竹林などから、里山の再生を行なうために、市民の人たちと一緒に、伐採する竹を活用していきます。
「竹の海原」が完成すると、日本で最大級となる、竹を使用した施設となります。

「市民創発プロジェクト」は、公募によって集められた市民スタッフが、企画を自ら行い、創り上げていきます。
その内容は、楽しく対話したり、参加したり、体験したりできるプログラムがたくさん詰まっています。
環境、自然、共生についてなど、さまざまなテーマが挙げられ、その中から、150のプロジェクトが現在開発されています。
そして、そこで生み出されたプログラムは、「竹の海原」や、屋外広場で展開していく予定です。

ヒルサイドエリアの会期は、2009年7月4日〜9月27日の9:30〜17:30です。
ただし、8月の毎週土・日、9月19日〜27日の9日間は、時間が9:30〜20:30と延長されます。
  


苦難を乗り越えて

横浜は、開港してから、世界につながる港として、大きく発展していきました。
ところが、その道のりは険しく、関東大震災、戦争、連合軍の占領、・・・とさまざまな苦難が、横浜にもあったのです。

1923年9月1日、横浜を、マグニチュード7.9という大地震が襲いました。
開港以来、60年間に渡って築いてきた横浜の街は、この大地震と、それによる火災によって、大被害を受けてしまいました。
ところが、そんな中でも、奇跡的に、開港記念館の時計塔は、壊れることがありませんでした。
多くの市民が、その立派な姿に、勇気付けられたのです。

震災によって崩れた建物のがれきを集め、それで海を埋め立ててでき上がったのが、「山下公園」です。
この山下公園を会場として、1935年3月〜5月の期間、「復興記念横浜大博覧会」が開催されました。
山下公園の前に、大きないけすを造って、鯨を泳がせた「生鯨館」や、アメリカをはじめ、いろいろな国のパビリオンに人気を集め賑わいました。
来場者は、300万人にも上ったそうです。

戦争時の横浜は、1942年〜1945年に、連合軍によって、空襲に30数回もみまわれ、大変な被害を受けました。
そして敗戦と同時に、連合軍により、横浜港や横浜市内のあちこちを占領され、経済面でも大きな打撃を受けました。
現在でも、アメリカ軍の基地が市内に残っていますが、「深谷通信所」や「上瀬谷通信施設」などは、近い将来にはなくなって、日本に返ってくるそうです。

このような大変な苦難を乗り越え、ここまで発展したのは、当時の人々の努力があったからこそです。
横浜の街を支え続けてくれた人々のおかげで、現在の大都市横浜があるのです。